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片想い

「新城!」

ふと名前を呼ばれて、俺は振り向いた。
そんな俺の心臓の鼓動は、速かった。
悟られないように、悟られないように。
平静を装う。

「何?」
「帰ろーぜ」
「うん、わかった」

鞄に教科書やノートを詰めていく。
淡々と作業を進める俺の顔は、ほんのり赤くなるのが自分でもわかった。
心臓がドキドキしている。
ただ話しかけられただけで。

俺は、相原が好きなんだ。

最近、この感情に気付いた。
でも蓋をしていた。
俺は男で、相原も男だからだ。
最初、この感情に気付いたとき戸惑った。
何故同性にドキドキしてしまうのか。
こんなにも胸が熱くなることがあるのか。
恋愛感情なんかじゃない!
そう蓋をしていたが、その蓋はもう蓋となしていなかった。

俺は、相原が好きなんだ。

帰り道、ただただ普通のことを話して帰る。
学校であったこと、最近の音楽
でも一番嫌な話題は女の子について。
俺は相原が好きなのに、それを知らない新城はお構い無しに女の子の話題を話す。
でも俺はその話しについていく。
悟られてはいけない。
悟られたら、友達でもいられなくなる。

苦しい。
胸が締め付けられる。

それでも俺は相原の傍にいたいから
我慢する。我慢し続ける。
いつかこの思いを言えるときはくるのかな。
もう片想いで終わるつもりでいる俺は、諦めかけていた。

「新城、聞いてる?」
「あ、あぁ」
「ホントお前が友達でよかったわぁ」

友達。
そうだ、俺達は友達という関係なんだ。
チクチクと痛む胸に、自分の想いをしまいこんで言った。

「俺も相原が友達でよかったよ」

溢れだしそうな想いに、沢山の錘をつけて奥底に沈めた。
これで、いいんだ。
こうして俺の初めての片想いは、幕を閉じた。
切なき想いに、もう俺は振り返らない。
振り返ってはいけない。

きつく、きつく
蓋を閉めた


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